ChatGPT Enterpriseとは?料金や始め方を解説!企業向けセキュリティや高速GPT-4

OpenAIは、2023年8月29日にChatGPTのEnterpriseプラン発表しました。

これまで、ChatGPTは入力した情報がOpenAIのAIの学習に利用されることが懸念として大きく取り上げてられており、企業はChatGPTの導入をためらっていました。そのためMicrosoftのAzure OpenAIなどを利用して自社専用のチャットAI環境を開発しています。

ChatGPT Enterpriseはこの課題を払拭します。

ChatGPT Enterpriseは、セキュリティやプライバシーへの厳格な対応をすることで、入力データをAI学習に利用せず、データの厳格な暗号化も提供します。これはデータが漏洩しても高度に暗号化されているために暗号だけが漏洩するので大きな問題にならないということです。

さらに、セキュリティだけではありません。Enterpriseプランは、2倍の速さで応答し、かつ4倍の長さを受け付けるGPT-4の提供など、ビジネス活用時に役立つ機能もあります。

この記事では、ChatGPT Enterpriseで利用できる新たな機能の全てを解説します。

ChatGPT Enterprise概要

ChatGPT Enterpriseは以下の機能を提供します。

  • エンタープライズグレードのセキュリティとプライバシー対策
  • 無制限かつ高速のGPT-4
  • より長い入力を処理できる
  • 高度なデータ分析機能(Python実行環境)
  • カスタマイズオプション

既に初期ユーザーとして有名企業が利用中

Canva、Carlyle、The Estée Lauder Companies、PwC、Zapierなどの有名企業はすでに利用しています。

エンタープライズのためのプライバシー、セキュリティ、および展開ツールでデータを保護する

ChatGPT Enterpriseでは、ビジネスデータを所有し、管理します。

ビジネスデータや会話について訓練せず、OpenAIのモデルはやユーザーの利用から何も学びません。

SOC 2に準拠しており、すべての会話は転送中および保存時に暗号化されます。

新しい管理コンソールを使用すると、チームメンバーを簡単に管理でき、ドメイン検証、SSO、および使用状況の洞察を提供し、企業への大規模な展開を可能にします。

無制限で高速なGPT-4などChatGPTの最も強力なバージョン

ChatGPT Enterpriseは、すべての使用上限を解除し、最大2倍高速に実行します。

エンタープライズには32kのコンテキスト(約3万字!)が含まれており、つまりユーザーは4倍長い入力を処理できます。

ChatGPT Enterpriseは、以前はコードインタプリタ(Code Interpreter)として知られていた高度なデータ分析(Advanced Data Analysis)への無制限のアクセスも提供します。

ChatGPT Enterpriseの全機能一覧

エンタープライズグレードのセキュリティとプライバシー

  • 顧客プロンプトと企業データは、OpenAIモデルのトレーニングには使用されません。
  • 保存中のデータ暗号化(AES 256)および転送中のデータ暗号化(TLS 1.2+)
  • 認定SOC 2準拠

組織での大規模な展開のための機能

  • 一括メンバー管理を備えた管理コンソール
  • SSO
  • ドメイン検証
  • 使用状況の洞察のための分析ダッシュボード

これまでで最も強力なChatGPT

  • GPT-4への無制限アクセス(使用上限なし)
  • GPT-4の高速パフォーマンス(最大2倍高速)
  • 高度なデータ分析への無制限のアクセス(以前はコードインタプリタとして知られていた)
  • 4倍長い入力、ファイル、またはフォローアップのための32kトークンコンテキストウィンドウ
  • 会社が共同作業し、共通のワークフローを構築するための共有可能なチャットテンプレート
  • OpenAIを組織の完全なカスタムソリューションに拡張する必要がある場合APIを使用するための無料クレジット

始め方

現在はOpenAIの営業担当者と連絡を取る必要があります。

連絡先はこちら

https://openai.com/contact-sales

しかし、今後はセルフサービス型(=ユーザーがWeb上で自分で決済して使える)も提供予定とのことです。そうなれば誰でもEnterprise版を使えるようになります。

ChatGPT Enterprise の料金

料金は非公開であり、見積もりが必須となるため、固定ではないようです。

ブルームバーグのインタビューで、OpenAIは柔軟な価格モデルを考えていると回答しました。

ユーザーごとのサブスクリプションのこだわることなく、利用量などを鑑みたうえでカスタマイズされた料金を提案するとのことです。

ただし、筆者の予想ですが少人数でのEnterpriseプラン利用の場合にはシンプルなサブスクリプションを提案されると思われます。たとえば「100名以上は見積もり必須」といった形になりそうです。

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